毎日池の側を通ると、これまた毎日釣り人が十数人くらいいる。
それまでは「こんなチンケな池で釣りなぞせず、海や川に行けばいいのに。そっちの方が自然豊かで充実した時間が過ごせるじゃないか。」とか考えていた。
大体水が濁った緑色で大変生臭いし、見た限り鯉と亀と虫しかいないじゃないか。毎日通って観察しているのに釣り上げている瞬間も見たことが無い。
一体何を釣っているんだ!釣っても臭くて食えんでしょ!即リリースでしょ!とも考えていた。
それが今日は「ひょっとしたら彼らは釣りを楽しむというより、この日の沈みかける夕暮れの時間一人佇み、孤独な時間を楽しんでいるのかもしれない」そんな考えが過った。
見渡しても大半の人が「一人で」釣りに興じていて、連れがいる人は殆どいない。
夕日が池に反射して綺麗ではあるし、近所ならすぐに来れ、そういう時間を気軽に楽しんだり、何となく思索に耽る事も出来るじゃないか。だとすると実に味わい深い。
思えば「孤立」することは誰にでもあっても、「孤独」になることは本当に難しい。
実質無理と言っても差し支えないんじゃないかな。