何年か前に買った本で、今回で3周目。
著者のケイト・マーフィー氏が自身の経験と、聴くを仕事にしている人たちとのインタビューから、「聴く(訊く)ことの重要性をひたすら語り続ける」本。実用書とはちょっと違って、解説に近いかな。
辞書か!?というくらい分厚い本だけど、難しい話はほとんどなく非常に読みやすい本だ。
「聴く」とは相手の話に耳を傾け、「何を語っているのか?その事柄はその人にとってどんな意味があるのか?理解しようと努め、相手が話し終わるのを待つことではない」と受け取った。
その対極に位置するのが、話し終わるか終わらないかのうちに意見を挟んだり、求められてもいないアドバイスをしたり、スマホを弄ったり、あなたはこういう人だからという決めつけや思い込みが挙げられるだろう。
アドバイスをしようと、気の利いたことを言わなければと考えていると大抵失敗するとのこと。
読んでいて印象的だったのは、聴く姿勢は相手に対する敬意や贈り物。とはいえ、全ての人の話を聴くことなどとうてい不可能である。よって、「誰の話を聴くのか?」は選べるし、選ぶべきであるということ。
会話が上手くいかないのは自分の傾聴力の至らなさなのでは?と悩むこともあるけど、そもそも合わない人は合わない。時間や体力は有限であることを自覚しなければならないし、できるのが優れた聴き手であるという。
あなたの話を聴いてくれる人は?そう実感できたのは?逆に体験を話してくれる人は?最後に人の話に真剣に耳を傾けたのはいつ?
本書の中には話を聴いてくれる人がいない、と同時に聞かせてくれる人もいないとの話がでる。そういう視点は今まで無かった。切ないね。